腎臓に結石がある場合には症状はありません。尿管に結石が移動すると発作的な腰や背部の痛み、吐き気・嘔吐を起こします。
この症状は結石による急激な尿管の閉塞で
① 腎盂内の圧が上昇
② 腎臓周囲の膜の緊張
③ 尿管の蠕動(ぜんどう)亢進
により発生します。
結石が膀胱の近くまで下降すると下腹部の痛み、頻尿・残尿感などの「膀胱刺激症状」が起こります。
伊藤晴夫先生 監修『新しい尿路結石症の診断・治療』より
一方で、無症状にも関わらず職場の検診や人間ドックで腎臓のはれ『水腎症』を指摘され、尿管結石症の診断となることがあります。結石の脇に尿が流れることができると痛みがない・少ないことがあり、その場所で長期間結石がつまり尿管と癒着を起こしてしまうことがあります。
このような結石は『長期嵌頓結石』と診断され、治療が複数回必要だったり、内視鏡手術を追加する可能性が高まります。
日本尿路結石症学会 編集『尿路結石症のすべて 医学書院』より