腎結石と腎杯憩室結石

 

 

腎結石の部位は以下のように大別されます。

 

R1 (腎実質内結石) :治療適応なし

R2 (腎杯結石)   :治療適応あり

R3  (腎盂結石)      :治療適応あり

 

R1(腎実質内結石)は腎臓の尿の通り道以外にできる石灰化で、痛みを起こすことはありません。そのため、治療適応はありません。

 

 治療が必要なのはR2(腎杯結石)とR3 (腎盂結石)です。R1結石と判断するためにCT検査が必要になることがあります。CTでも判断が難しい場合には造影剤検査(経静脈的または経尿道的)で診断が必要になることがあります。

「伊藤晴夫先生 監修『新しい尿路結石症の診断・治療』より

特殊な例として『腎杯憩室結石』があります。

 

腎杯憩室とは尿の通り道から腎臓内に突出した小さな部屋です。腎杯憩室結石は造影剤を用いた検査で確定診断がつくもので、単純CTや超音波検査のみでは結石が憩室の中にあると気づくことは難しい結石です。腎杯憩室結石は無症状の場合には積極的治療の適応はなく、仮に衝撃波治療を行っても憩室から腎杯への通り道が非常に細いため、たとえ破砕されたとしても排石される確率は低いと考えられます。

右:腎結石のレントゲン画像 中央:造影剤検査の結果 左:尿路のイメージ

 腎結石がある部分が造影剤の検査の結果、腎杯から離れていることがわかります。

山下康行先生編集 『知っておきたい泌尿器のCTMRI』より改変