尿潜血反応が陽性と言われたら

尿潜血反応は尿試験紙を浸し、試験紙の変色の度合いから陽性、疑陽性、陰性を確認する検査です。

 

この検査は単純で原理も化学的なものが多く、尿中の物質や尿の成分変化によって偽反応(血尿がないのにあると判断される等)を起こすことがあります。そのため、本当に血尿があるのかどうか、血尿があるのであれば原因を確認するために以下のような詳しい検査が必要です。

尿潜血反応(血尿)の原因

糸球体疾患(腎臓内科の病気)、腎細胞がん、前立腺がん、尿路結石症、膀胱炎、前立腺肥大症、尿管・膀胱がん、腎動静脈奇形、腎のうほう、ナットクラッカー症候群、遊走腎などがあります。

当院でまず行う検査

尿定性:再検し潜血や尿タンパクなどの有無を調べ、腎臓内科の病気の可能性がないか確認します。

 

尿沈渣:尿中に赤血球が含まれているかどうか顕微鏡で確認し、尿潜血の確定診断をします。

 

 

 

内藤誠二先生 監修 『膀胱癌のすべて』より

尿細胞診:尿の中には膀胱や腎盂、尿管や尿道など尿路系の剥がれた細胞が含まれています。これを顕微鏡で観察することで、癌の疑いがあるか確認します。この検査は一部の尿での検査ですので定期的な検査は必要です。

内藤誠二先生 監修 『膀胱癌のすべて』より

エコー検査:腎臓や膀胱内に異常な所見(がんや結石)がないか確認するために必要な検査です。

 

内藤誠二先生 監修 『膀胱癌のすべて』より

レントゲン:腎臓や尿管の結石を疑う場合に撮影します。

 

単純CT:レントゲンや超音波検査のみで確定できないような場合に行います。

 

PSA検査:50歳以上の男性は前立腺がんの確認を行うため、採血によるPSA検査をお勧めします。

 

 

採血検査:腎臓の機能の確認や腎臓内科の病気を疑う場合に採血を行ないます

必要時行う検査

 

膀胱鏡:エコーで疑わしい病変がある場合に確定診断のために行うことがあります。

膀胱癌の内視鏡画像:内藤誠二先生 監修 『膀胱癌のすべて』より

造影CT /MRI:腎細胞がんや腎盂がん、尿管がんを疑う場合に検査を行います。この検査が必要な際には大きな病院に紹介したり、MRI検査は当院から予約し近くの病院で撮影することも可能です。

腎盂がんの造影CT画像「腎盂・尿管・膀胱癌取り扱い規約」より