尿路結石症の緊急処置

 

尿路結石症の経過中に緊急を要する病態は以下の状況です。

 

①閉塞性腎盂腎炎:結石による閉塞で腎ぞう内が細菌感染した尿で満たされ、熱が下がらない時

 

②腎後性腎不全:右左の尿管に結石が同時に嵌頓し、尿を作れなくなった時(片腎の場合は健常な腎ぞう側の閉塞が

        起こった時)

 

③激しい痛み(尿の溢流など):結石による閉塞で腎ぞう内の圧が上昇し、尿が尿路外に流出した時

 

このような症状を改善するには『結石による閉塞を解除する』ことが必要になります。そのため、このような状況の場合には『経尿道的尿管ステント留置術』と『経皮的腎ろう造設術』を検討します。

『経尿道的経尿道的尿管ステント留置術』

 

尿道から内視鏡を挿入し、膀胱から腎臓に向かって樹脂製の尿管ステントを結石の横を通過させて留置する方法です。結石による閉塞が激しい場合、尿管ステントが結石の脇を通過せず、留置できないことがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊藤晴夫先生 監修『新しい尿路結石症の診断・治療』より

『経皮的腎ろう造設術』

『経皮的腎ろう造設術』 背中に超音波を当て、腎盂の拡張をしている部分を目指し針を穿刺します。その通り道を拡張し、ボールペンのしん程度の樹脂製のカテーテルを挿入し皮膚に固定します。結石治療が終了し、尿路の通過性が確保できたのちに腎ろうを抜きます。

腎ろうの穴は1〜2日で自然に閉じます。

 

現在、当院では行っていないため必要時には他院紹介となります。

 

 

伊藤晴夫先生 監修『新しい尿路結石症の診断・治療』より