体外衝撃波結石破砕術(ESWL)の合併症

ESWLの合併症

皮下出血:衝撃波の通過する部位に皮下出血がみられることがありますが、数日で消失します。 

 

血尿:結石が衝撃波により動かされることで尿路の粘膜が傷つき出血するために血尿が出ます。治療直後に血尿が出ますが、通常数時間で収まります

 

尿管の閉塞:破砕された結石の破片が尿管内につまると痛みが生じます。鎮痛薬を使用し、症状を和らげます。

 

急性腎盂腎炎:発症すると38度以上の発熱、背部痛などの症状を認めます。尿路は通常無菌ですが、尿路に結石が存在すると尿に細菌が常在することが多くなります。尿管結石が原因で尿の流れが閉塞している状態で発症することが大半ですが、体外衝撃波治療により割れた結石から細菌がばらまかれ、尿および腎臓に感染することにより生じます。腎盂腎炎が生じた場合は抗生物質の点滴による治療が必要となります。場合によっては入院期間が延長したり、尿管ステントを留置することが必要になることもあります。

 

腎被膜下出血:衝撃波のために腎臓表面の細い血管が破綻して腎臓周囲に血腫が生じることがあります。発生率は1%程度とされています。症状としては疼痛の持続、血尿の持続などがあげられます。血腫の形成が疑われたときは血液検査、超音波検査などをおこない診断を下します。血腫が生じた場合には退院が延期となり、止血剤・抗生物質の点滴治療をおこないます。血腫は大きさにもよりますが数ヶ月で自然に吸収されます。