『腎後性腎不全:両側尿管結石による無尿』について

腎不全とは腎臓の機能が急速に低下し老廃物を体の外に排出することができなくなった状態です。

 

尿路結石症では『両方の尿管に同時に結石が詰まる』または『片方しか腎臓がない(機能的に片方の腎蔵がない状態も含む)状況で結石が健常な腎臓側に詰まった』ことにより腎ぞうから尿が送り出せず腎後性腎不全となります。

 

症状は1日間全く尿ができない『無尿』や一日の尿量が以下になる『乏尿』です。

 

腎後性腎不全は腎蔵自体が機能を失っているわけではないので『尿の通り道を確保する』ことで速やかに改善します。

 

このような状況は後述する尿路結石症の治療法『尿路結石症の緊急処置』に記載している『経尿道的尿管ステント留置術』と『経皮的腎ろう造設術』で改善できます。

腎不全の分類

泌尿器科で管理する腎不全は主に『腎後性腎不全』です。

種類 原因 病気

 

腎前性

 

腎臓に血流が行かなくなり、血液を濾過する機能が低下した状態

脱水、出血、心不全など

 

腎性

 

腎臓そのものが障害を受けて機能が低下した状態  糖尿病などによる長期的な障害、腎炎など

 

腎後性

 

尿が作られた後に体の外に尿を出すことができない状態 尿閉、両側の尿管の閉塞(両側尿管結石症、癌による尿管の閉塞)