遠位尿細管性アシドーシス

 尿路結石症の患者さんの2%にこの病気を認めます。尿細管(腎臓の尿を産生・吸収する小さな期間)からの酸の排泄低下によるアシドーシスを引き起こします。

 原因となる疾患は多岐に渡り、突発性高カルシウム尿症、原発性副甲状腺機能亢進症や甲状腺機能亢進症、海綿腎、サルコイドーシスや膠原病が尿細管アシドーシスを引き起こします。

以下のような所見があった場合、この病気を疑うことがあります。

 

①レントゲン検査にて多発する腎石灰化像、腎結石

 

②結石分析でリン酸カルシウム結石

 

③アルカリ尿の持続:尿が常に6以上

 

④低クエン酸尿

(現在、尿中のクエン酸量を測定することは保険適応外です)

 

⑤高カルシウム尿

(現在、尿中のクエン酸量を測定することは保険適応外です)

 

⑥低カリウム血症

 

 

 

 

 

 

伊藤晴夫先生 監修『新しい尿路結石症の診断・治療』より

 

診断

塩化アンモニウム負荷試験を行うことで確定診断となります。血液のpHの変化で完全型と不完全型に分けられます。

再発予防

クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム(代表薬:ウラリット®︎)を投与します。不完全型では3g/ 日、完全型では3〜6>日(時に6gを超える大量投与が必要となることがあります)