シスチン尿症による結石は尿路結石の1~2%を占めます。
常染色体劣性の遺伝性疾患で唯一の症状は尿路結石症です。この疾患による結石は薬剤による溶解療法や再発予防が可能です。しかし、結石が大きい場合や閉塞原因になっている場合にはESWLやTUL、PNL手術が必要です。
二塩基性アミノ酸(シスチン,リジン,オルニチン,アルギニン)の腎近位尿細管という部位で、再吸収と腸管での吸収障害がみられる。特に溶解度の低い(=溶けにくい)シスチンが尿中に多量に排泄されるためにシスチン結石が形成されます。
『結石分析検査』を行うことでこの病気の確定診断ができます。
①水分の多量摂取
尿中シスチンが濃い尿で結晶化するのを防ぐために、1日の尿量を2.5L以上に維持する必要があります。
②尿のアルカリ化
尿のPHが7以上になるとシスチンが溶けやすくなります。そのため重曹やクエン酸塩製剤(ウラリット®︎)などが投与される。尿のPHの調整は7~7.5が望ましいとされています。
③チオプロニン(チオラ®︎の定期内服)
チオプロニンを内服することで、尿中シスチンは約50倍の親水性をもつ溶けやすい複合体を形成することになります。副作用として難聴、中毒性表皮壊死症、ネフローゼ症候群、黄疸、無顆粒球症、肝機能障害、間質性肺炎、重症筋無力症を稀に引き起こすため、注意が必要です。