『何度も再発する』尿路結石症患者や『両側の腎臓に多発する』尿路結石患者にはこの病気が原因である場合があります。
副甲状腺は甲状腺後面付近に存在する非常に小さな内分泌腺で『副甲状腺ホルモンPTH』を分泌しています。 この病気があると血中カルシウム値にかかわらずPTHが分泌され続けるため、高カルシウム血症が持続します。 高カルシウム血症の場合にはこの疾患を疑う必要があります。
症状: 尿路結石の形成、骨痛、関節痛、病的骨折などの骨症状,尿濃縮力の低下による口渇、多飲、多尿および食欲不振、悪心嘔吐、便秘などの消化器症状があります。
診断:『血中のカルシウム値が高い』場合にPTHを測定し、異常高値であった場合にはほぼ確定となります。
治療:原因となる腺腫が各種検査で確定された場合、腺腫の摘出で根治が可能です。
PTHが高い場合には、大学病院や基幹病院の『内分泌内科』に紹介し、詳しい検査を行っていただきます。
CT画像:副甲状腺の腫大を認める 手術画像:副甲状腺の摘出
日本尿路結石症学会 編集『尿路結石症のすべて』より