ESWL(体外衝撃波結石破砕術)の治療成績


 2017年のESWL(体外衝撃波治療)症例数は689症例、ESWL(体外衝撃波治療)治療件数は843件でした。1症例当りの平均施行回数は1.22回でした。

 

  体外衝撃波治療の治療回数・成績は『結石の位置、大きさ、長期間詰まっていたか』等によって異なってきます。

 

   以下に 2017年 船橋クリニックの部位別、結石の大きさ別のESWL治療成績を紹介します。

ESWL (体外衝撃波結石破砕術)の治療成績  (2017年/1~12月)

 

結石治療の有効性の評価は一般的に『治療開始後3ヶ月』の時点で行います。

 

★有効率の定義はESWL後3ヶ月の時点で『レントゲン上、残りの結石が4mm以下となった』です。

★完全排石率(SFR:stone free rate)の定義はESWL後3ヶ月の時点で『レントゲン上、結石の残りが完全にない』です。

★長期嵌頓結石の定義は『無症状で健診のエコーなどで発見された または 長期間(6ヶ月〜1年以上)尿管に詰まったままになった』結石としています。

 

 

 

 

 

 

 尿路結石症は存在する位置により分類されます。

 治療成績も以下の分類に沿って分析します。

 

 腎盂腎杯結石:R2  腎臓内部(腎杯・腎盂内)

 

 腎盂尿管移行部結石:R3  腎臓と尿管のつなぎ目

 

 上部尿管結石:U1  腎臓の出口から骨盤上縁まで

 

 中部尿管結石:U2  骨盤骨に重なる

 

 下部尿管結石:U3 骨盤下縁から膀胱移行部まで


腎結石(R2:腎杯結石)破砕治療の成績


 

 

腎結石(R2:腎杯結石)の体外衝撃波治療の成績は

 

 直径10mm以下の結石:

ESWL治療回数1.18回(1回で治療が終わる確率84%)、有効率96%、完全排石率51%でした。

 

 直径10〜20mmの結石:

ESWL治療回数1.56回(1回で治療が終わる確率50%)、有効率94%、完全排石率31%でした。

 

 内視鏡手術(TUL)を必要とする症例はありませんでした。

 

 結石径が大きければ大きいほど、ESWL治療回数が多くなる傾向にあります。

 

 結石長径が20mmに近い、20mm以上の場合にはESWL治療以外の治療法:内視鏡手術(f-TUL)等を初期治療としてお勧めすることが多くなります。


腎結石(R3:腎盂腎杯結石)破砕治療の成績


 

 腎結石(R3:腎盂腎杯結石)の体外衝撃波治療の成績は

      

 直径10mm以下の結石:

ESWL治療回数1.20回(1回で治療が終わる確率80%)、有効率100%、完全排石率40%でした。

 

 直径10〜20mmの結石:

ESWL治療回数1.0回(1回で治療が終わる確率100%)、有効率86%、完全排石率57%でした。

 

 結石破砕が不十分で内視鏡手術(TUL)を必要とする症例はありませんでした。

      

 この部位の結石がある場合には10mm以上の大きさで発見されることが多く、結石の先端の部分の通過障害を伴うことが多くなります。

      

上部尿管結石(U1) 破砕治療の成績


 

上部尿管結石(U1)のESWL(体外衝撃波治療)の成績は

 

非長期嵌頓症例のうち

 直径10mm以下の結石:

ESWL治療回数1.14回(1回で治療が終わる確率86%)、有効98%、完全排石率88%でした。結石破砕が不十分で内視鏡手術(TUL)を必要とする症例はありませんでした。

 

 直径10〜20mmの結石:

ESWL治療回数1.42回(1回で治療が終わる確率71%)、有効率90%、完全排石率74%でした。

破砕効果不良のため内視鏡手術(TUL)へ治療法の変更が必要な症例は6.4%でした。

 

長期嵌頓症例のうち

 直径10mm以下の結石:

ESWL治療回数1.30回(1回で治療が終わる確率56%)、有効87%、完全排石率83%でした。

 破砕効果不良のため内視鏡手術(TUL)へ治療法の変更が必要な症例は17.4%でした。

 

 直径10〜20mmの結石:

ESWL治療回数2.11回(1回で治療が終わる確率35%)、有効率71%、完全排石率53%でした。

 破砕効果不良のため内視鏡手術(TUL)へ治療法の変更が

必要な症例は11.7%でした。


2017年に当院で上部尿管結石に対してESWL治療を行った85%が激しい背中の痛みで初めて診断された『非長期嵌頓結石』です。この場合、3ヶ月の時点における体外衝撃波治療による完全排石率は約90%で良好です。

 10mm以下の結石では内視鏡手術(TUL)の追加治療はありませんでした。10〜20mm大の結石のうち6%で内視鏡手術(TUL)の追加が必要でした。

 

 一方で痛みを自覚されず健診の超音波検査で尿管結石と診断されたり、長期間(6ヶ月〜1年以上)同じ位置から移動せず放置した結石の場合は『長期嵌頓結石』の疑いがあります。

 長期嵌頓結石の場合も80〜90%はESWLで治療可能です。しかし、10〜20%はESWL治療に抵抗性で、閉塞解除および結石の完全摘出のため内視鏡手術(TUL)を追加で行う必要があります。

中部尿管結石(U2)破砕治療の成績


 

 中部尿管結石(U2)のESWL(体外衝撃波治療)の成績は

 

非長期嵌頓症例全体:

 ESWL治療回数1.09回(1回で治療が終わる確率89%)、有効96%、完全排石率89%でした。

 

長期嵌頓症例全体:

 ESWL治療回数1.11回(1回で治療が終わる確率89%)、有効率100%、完全排石率100%でした。

 

   この位置の結石では結石破砕が不十分で内視鏡手術(TUL)を必要とする症例はありませんでした。

      

下部尿管結石(U3)破砕治療の成績


下部尿管結石(U3)のESWL(体外衝撃波治療)の成績は


非長期嵌頓症例全体で

 平均治療回数1.11回(1回で治療が終わる確率89%)、有効98%、完全排石率90%でした。

 

長期嵌頓症例全体で

 平均治療回数1.20回(1回で治療が終わる確率80%)、有効率100%、完全排石率100%でした。

 

  結石破砕が不十分で内視鏡手術(TUL)を必要とする症例はありませんでした。